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Home >  在宅診療の教科書 >  在宅医療のよくある「7つの誤解」①

在宅医療のよくある「7つの誤解」①


高齢化が進んでいる昨今、「在宅医療」という言葉自体は一般の人にも知られるようになってきました。

しかし、病院の医療と同じように在宅医療が広く浸透しているかといえば、残念ながらそうではありません。
何かハードルが高いというか、「うちではちょっと難しいのではないか」と二の足を踏んでしまう人が少なくないようです。

在宅医療をためらってしまう理由には、多くの誤解があるのではないでしょうか。
そこで、みなさんが抱きがちな「7つの誤解」を挙げ、その真相を知っていただこうと思います。

誤解1:家族が高齢または日中不在だから、在宅医療はできない

昔であれば長男の妻が家を守り、高齢になった親の面倒も見ていたのでしょうが、今は核家族化が進み、高齢の夫婦だけの世帯も多くなっています。
夫婦のどちらかが病気になり在宅療養をしたいと思っても、配偶者も高齢で、体力的にも介護をする自信が無いというケースが急増しているのです。
また、子ども世帯と同居している高齢者でも、子どもがちょうど働き盛りの年代で日中は家におらず、家で介護をするなどとても無理だ…と思ってしまうことも少なくないようです。

しかし実際には、同居のご家族が高齢でも日中不在でも、在宅医療は可能です。
最近では、そういうご家庭のほうが在宅医療の主な利用者だといっても過言ではありません。

誤解2:高齢者の一人暮らしだから、在宅医療はできない

最近では、高齢者の単身世帯は珍しくありません。

高齢の夫婦のみの世帯で一人が亡くなると、残った方は一人暮らしになりますし、生涯独身という人もいます。
内閣府の2016年の調査でも、65歳以上の高齢者のいる世帯の約25%は単身世帯となっています。

同居家族のいない単身の高齢者でも、本人が希望すれば在宅医療を行うことができます。
要介護度に応じて専門スタッフのケアを受けつつ、自宅で生活している一人暮らしの高齢者はたくさんいます。

誤解3:病気の状態が重いので、在宅医療はできない

最近は医療技術の進歩もあり、病状の思い人でも多くの場合、在宅療養が可能になってきています。
胃ろうなどの経管栄養を行っている人や人工呼吸器を装着した人も自宅で療養でき、酸素療法、人工透析、がんの緩和ケアなども在宅で行うことができます。

また、医療的ケアが必要な患者様の場合、病院で医師や看護師がやっていることをそのまま自宅で家族がやらなければならない、と気負う必要はありません。

在宅療養では、看病する人に負担の少ない「在宅ならではのやり方」があります。
家族の介護は、「できる範囲」で考える 参照)

引用元

『1時間でわかる! 家族のための「在宅医療」読本』 著者:内田貞輔(医療法人社団貞栄会 理事長)
発売日:2017年11月2日
出版社:幻冬舎