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Home >  在宅診療の教科書 >  在宅医をどのように探せばいいか

在宅医をどのように探せばいいか


社会の高齢化が今後もいっそう進んでいく日本社会では、患者さんやご家族が「在宅医療をもっと自由に選べる」ようになるべきだと考えています。

通っていた病院の医師や職員から提案を受けてようやく始める、というのではなく、望む人が、望むときに主体的に在宅医療を選べるようになれば、高齢になったり病気が進んだりした時でも住み慣れた自宅でQOLを保ちつつ、その人らしく療養生活を続けていけると思うからです。

そこで、在宅医療を始めるにあたって、まずはどのように在宅医を探せばいいのかを紹介していきます。

①患者さんが病院に入院しているとき

高齢者が骨折などのけがや脳梗塞、がんのような病気で急性期病院に入院して治療を受け、退院後の療養のために在宅医療を考えている、というご家族も多いことでしょう。
患者さんが入院している場合、大きく次の3つがあります。

A:病院の医療相談室(ソーシャルワーカー)へ相談

総合病院や地域の中核病院には、必ず「医療相談室」「医療連携室」といった相談窓口があります。
そこには、医療ソーシャルワーカーという専門職員がいて、患者さんや家族の相談を受け付けています。
退職後の医療・介護の連携についても情報を提供してくれるので、そこで在宅医を探している旨を伝えてください。
ただし、すべての医療ソーシャルワーカーが在宅医療に精通しているとは限らないので、そこは注意が必要です。

B:地域の支援窓口で探す

自宅のある地域の市区町村の介護保険窓口や「地域包括支援センター」などでも、地域で在宅医療を行っているクリニック等についての情報をもらえます。
このほか、地域の居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)、訪問看護ステーション、在宅介護支援センター(老人介護支援センター)、保健所、医師会などで相談してみるという方法もあります。

C:インターネットなどで探す

病院の相談室や地域の窓口で思うような情報を得られなかったとき、あるいは相談に行く時間がなかなか取れないといった場合は、インターネットや口コミ等の情報から在宅医を探し、クリニックに直接連絡をすることもできます。
どう探していいかわからないというときは、インターネットで日本在宅医学会を検索してホームページへ行けば、全国の「認定専門医一覧」を見ることができます。

②患者さんが病院・診療所に通院しているとき

次に、患者さんが病院やクリニックに通院している状態で、そろそろ通院が難しくなってきたから在宅医を探したいという場合は、以下の3つの方法があります。

A:主治医に、訪問診療を頼めないか確認

クリニック(診療所)の開業医が主治医というときは、主治医に「通院がつらくなってきたので訪問診療を頼めないか」と尋ねてみてください。訪問診療や往診に対応してくれる場合もあります。
主治医が訪問診療に対応していない場合は、「治療を引き継いでもらえる在宅医を紹介してほしい」と頼んでみるのも一案です。
ちなみに病院の医師が主治医のときは、訪問診療は難しいと思いますので、やはり医療相談室や医療連携室に相談をしてください。

B:地域の支援窓口で探す

C:インターネットなどで探す

主治医での相談では解決しないときには、
①患者さんが入院しているとき のB,Cと同様に、自治体の窓口やインターネットで在宅医を探す、という流れになります。

引用元

『1時間でわかる! 家族のための「在宅医療」読本』 著者:内田貞輔(医療法人社団貞栄会 理事長)
発売日:2017年11月2日
出版社:幻冬舎